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高知の川をまるごと味わう ― 鮎と土佐酒の美味しい関係

ペアリング

清流王国・高知。
四万十川、仁淀川、安田川、そして、奈半利川、鏡川、物部川などなど。
県内を流れる川はどれも澄みわたり、天然鮎の宝庫です。
鮎はたった一年で生まれて死んでいく日本固有の一年魚。

成長し始めの若鮎から産卵のために海へ戻っていく落ち鮎までの期間はわずか半年あまり。

骨のやわらかい若鮎の背越しや、塩焼き、天ぷらに一夜干し、落ち鮎は甘露煮や骨酒と、鮎は夏から秋にかけての酒肴にぴったりの魚です。

そんな鮎の味覚を最大限に楽しむために、その川の水で仕込まれた土佐酒と合わせ、まるで川の恵みそのものを味わうようなペアリングはどうかと、いくつかやってみました。

「こうち天然あゆ祭り」に行ってきました!

8月31日、高知市の東洋電化中央公園で開催された「第3回こうち天然あゆ祭り」を覗いてみました。
会場には四万十川や奈半利川の天然アユのほか、仁淀川、安田川などで獲れた県内各地の鮎が集まり、塩焼きや天ぷらに長い行列ができていました。

子どもたちは鮎のつかみ取りに夢中で、大人は焼き立ての香ばしい鮎にかぶりつきながらお酒を楽しむ。

まさに高知らしい、川の恵みとお酒のイベントでした。

高知の鮎はなぜ特別?

高知は「清流王国」と呼ばれるほど、美しい川が多い土地です。

四万十川、仁淀川、奈半利川、安田川など、全国的にも名水として知られる川が流れています。

自然の流れで育った天然の鮎は、香り高く、身も引き締まり、食べた瞬間に「川そのもの」を感じられるのです。

養殖の鮎との違いは「黄斑」。

黄斑は別名「追い星」と言われ、縄張りを持つ鮎の胸びれのすぐ後ろに現れる黄色い斑点のことです。

特定の縄張りを持つ鮎が質の良い藍藻を独占して食ることで、藍藻の成分の色が出てくると考えられているそうです。

この色が強く出ている鮎ほど香りが強く、スイカやキュウリの爽やかな香りを感じることができます。

縄張りに入ってくる他の鮎を追い払い、藍藻を独占的に食べて出てくるから「追い星」と呼ばれるんですね。

高知のあゆはこの黄斑がはっきりしたものが多いんです。

追い星がはっきりと出ている
子供にも「鮎の一生」のことがわかるように丁寧に説明されていました。

鮎と同じ川の水で仕込んだ土佐酒と!

今回やってみたのは、鮎と同じ川の水で醸した土佐酒と合わせるという楽しみ方です。
日本各地に鮎の名所はありますが、「鮎と同じ川の水で醸した地酒をペアリング」というアプローチはあまり聞いたことがありません。

今回のこうち天然あゆ祭りで合わせてみたのは、最後の清流と呼ばれる四万十川の鮎に、栗焼酎のダバダ火振で知られる蔵元が醸す無手無冠の「無手無冠 酒槽一番搾り 生原酒」。

ダバダ火振りの「火振り」の由来は、松明で鮎を追い込む火振り漁から来ているんだそうです。
鮎の塩焼きと天ぷらに、酒槽からしたたり落ちる生原酒のフレッシュな旨味が心地よく寄り添い、まるで川の流れをそのまま飲んでいるような清々しさがありました。

次は、今回用意できなかった文本酒造の「Shimanto Silver」あたりとペアリングさせてみたいです。

安田川 × 「南 安結(あゆ)」

全国の50を超える河川の鮎の美味しさを競う「清流めぐり利き鮎会」で二度のグランプリに輝いた安田川は、県東部の馬路村に源を発し、ダムがなく透明度の高い自然のままの清流です。
ここで獲れる鮎には、同じく安田川のきれいな水で土佐酒を醸す「南酒造場」のお酒がおすすめです。
特に「安結(あゆ)」は、鮎をモチーフに「安田で生まれたものが多くの人と縁を結ぶように」という願いを込めて生まれた銘柄だそうです。

居酒屋「ひいきや」で安田川の鮎と南の安結とペアリング!
からだがほっとするごはん処「草や」でも安田川の鮎と南の純米吟醸酒を。キュウリを使った特性ソースが絶品!
安田町産の米で醸した「安結」
画像は高知新聞Plusより引用

「安田川の鮎が好き」というケンミンも多いです!

次回は同じく安田川の水で醸す土佐鶴の銘酒と合わせてみたいです!

他にもやってみたい鮎と土佐酒ペアリングの川

高地には鮎が獲れる川がまだまだあります。

他の地域の鮎も同じ川の土佐酒とペアリングをさせてみたいです。

仁淀川の鮎に仁淀川の土佐酒

青く透き通る“仁淀ブルー”で知られる仁淀川。
ここの鮎には、仁淀川水系で仕込む辛口で切れ味の良い司牡丹の「仁淀ブルー」には若鮎の天ぷらを、CEL24で醸す高知酒造の「仁淀川 清流モデル」には落ち鮎の甘露煮を合わせてみたいところ。

奈半利川の鮎に奈半利川の土佐酒

日本三大美林の魚梁瀬杉を育む豊富な雨が急峻な川となって太平洋に流れ込む奈半利川の河口には、美丈夫の蔵元として知られる濱川商店が土佐酒を醸しています。

以前は鮎ラベルの銘柄があったそうですが、是非復活させていただきたいです。

野根川の鮎に野根川の土佐酒

「鮎に合う美味しい純米酒」をコンセプトに作られた酔鯨の「香魚」は、高知県の東端、東洋町の野根川流域で生産された酒米と野根川の伏流水で仕込んだ一品です。

今年は酒屋さんで見かけなかったのですが、まだ造っておられるんでしょうか。
野根川の鮎と是非合わせてみたいものです。

高知ならではの贅沢な楽しみ方

鮎も土佐酒も、どちらも「川の恵み」から生まれたものです。
鮎を食べ、その川の水で仕込んだ酒を口に含むと、自然と人のつながりを舌で感じられます。

皆さんも高知を訪れたら、あゆ王国高知だからこそできるちょっと贅沢な”川と地酒のペアリング”を是非楽しんでください。

カツオだけじゃない! 鮎に合う土佐酒はたくさんあります!

あゆ王国高知の取り組み

高知県は「あゆ王国高知」の名前が全国に広く認知されるように取り組んでいます。

あゆ王国高知のウェブサイトはコチラ

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