日本を取り巻く海流からの水蒸気が急峻な山脈にぶつかり、雨となって大地に降り注ぎます。
その海と山との近接性がミネラル分は多いもののカルシウムが少ない軟水をもたらしました。
そして、そのミネラルが豊穣の大地と海を育んでいます。
豊富な軟水に支えられたからこそ世界に誇るうまみ文化のもととなる出汁が誕生しました。
出汁文化に育まれた豊かな食
和食の出汁と日本酒には、旨味成分がそれぞれ含まれており、組み合わさることで旨味が何倍にも強く感じられる現象が起こります。
昆布や野菜由来のグルタミン酸にかつおや煮干しのイノシン酸、そしてきのこのグアニル酸やコハク酸などの旨味成分と、日本酒のアミノ酸が重なると、単体では得られない驚くほどの旨味を感じます。
カツオと昆布のお出汁に日本酒を合わせたときの旨味の相乗効果は味覚の研究でも広く確認されています。
和食と日本酒が調和する理由は、単に「日本の伝統同士だから」ではありません。
出汁と酒が生み出す旨味の重なり、香りの穏やかな共鳴、そして何より、自然を尊び季節を楽しむ心が共通しているからこそ、深く美しく響き合うのです。
そんな心が弾むハーモニーを世界の仲間とともにナカマしていきましょう!